国立病院機構東京医療センターの看護師転職の評判は?

東京において転職する病院を探している人のなかには、「国立病院機構 東京医療センター」を希望している人も少なくないと思います。

東京都目黒区にある国立病院で、急性期病院で780床という病床数から、看護師の業務はかなりハードであるといえます。

しかし独自の教育システムが充実していることから、看護師としてのスキルアップを目的としている人にとっては、目指すべき病院でしょう。

では、国立病院機構 東京医療センターの特徴についてみていきたいと思います。

国立病院機構 東京医療センターとは

詳細情報

【病院の特徴】
日本医療機能評価機構認定病院
臨床研修指定病院
地域医療支援病院 など

【病床数】
780床:一般病床数700床、救命救急病床数30床、精神病床数50床

【診療科目】
麻酔科、総合内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器科、腎臓内科、内分泌内科、血液内科、リウマチ膠原病内科、神経内科、精神科、外科、小児科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、皮膚科、産婦人科、放射線科、歯科口腔外科、アレルギー科、リハビリテーション科、救命救急センター、臨床遺伝センター、脊椎脊髄センター、緩和ケア科

採用条件など

国立病院機構 東京医療センターでは、看護師募集要項に基づいて募集が行われます。基本的に中途採用は常時行われていません。希望する人は、病院公式サイトで発表される募集要項にしっかりと目を通しておきましょう。

選考方法は試験となっており、試験内容は面接試験及び小論文(800字程度)となっています。

【給与】
新規採用者:大学卒 約270000円~306000円
※職歴等に基づいて基本給が加算されます

昇給:年1回
賞与:基本給の4.15月分 年2回支給
夜勤手当:二交代夜勤1回1万円、三交代夜勤1回4500円
住居手当:最高27000円
その他手当:通勤手当、専門看護手当、地域手当、扶養手当、時間外勤務手当、特殊業務手当(救急救命センター、筋ジストロフィー病棟など)など

国立病院機構 東京医療センターが用意している宿舎には次のものがあります。
◎リース型ワンルームマンションタイプ:55,000円~67,000円
※27,000円の住宅手当あり
◎ワンルーム看護師宿舎:8,100円(光熱費別)
◎共同タイプ(個室):3,900円~15,000円(光熱費別)

【給与例】
国立病院機構 東京医療センターが発表している平成28年4月に新卒で採用された看護師の給与は以下のようになっています。

看護師大学卒の場合 :給与総額(年収) 約 4,993,000円
看護師短大3卒:給与総額(年収) 約 4,864,000円

【休暇制度など】
4週8休(年間108日)+祝日(年間20日)
年次休暇(年20日)※採用1年目は年15日
産前産後休暇、結婚休暇、夏季休暇、病気休暇、子の看護休暇など
※育児短時間勤務制度あり
※院内保育所完備

【勤務形態】
7:1 看護体制(病棟により異なる)
三交替制勤務もしくは二交替制勤務

国立病院機構 東京医療センターの内部情報

看護師の業務について

国立病院機構 東京医療センターは急性期対応を行う病院で、780床もの病床数を有している国立病院ですから、看護業務はかなりハードであることは想像できることでしょう。病棟によっては、残業時間も多くなっています。

ただし看護師の教育体制はかなりしっかりしたものになっており、常に高い看護を提供できるように努めています。そのため忙しくともスキルアップを目指したいという人であれば、満足のいく看護業務ができるでしょう。患者様にゆっくりとかかわる時間はなかなか取れませんが、さまざまな症例にかかわることができます。

看護師の指導育成については、プリセプター制度を導入しており、先輩看護師が担当となって一定期間OJT研修が実施されます。入職後の看護師は、病棟などの業務においてどの業務をどのように行えばいいか優先順位の判断の仕方について学ぶことができます。不安な時期を先輩のサポートで乗り越えていくことができます。

プリセプターにつく看護師は、主に年齢の近い3年~5年目の看護師ですから、悩みごとや相談事を打ち明けやすいといえるでしょう。プリセプターは、新人のころの気持ちなども理解できますので、自身の経験を踏まえたアドバイスを行っています。

病棟での勉強会に加え、委員会活動や研修会なども積極的に行っています。

残業、休み、有給消化など

残業については、病棟によって違いはありますがハードなところが多く、残業になってしまう日が少なくありません。また経験年数を積み重ねていくと、自身がプリセプターとして新人看護師の指導に当たらねばなりませんので、さらに残業が多くなってしまう傾向にあります。

休みの取得については、各病棟において交代勤務になりますので、病棟内での調整となります。週休2日は確保することはできますが、希望休については状況によって変わってきます。なかなか思うように希望休が取れない病棟もあるようです。

有給休暇についても同様のことがいえます。特に看護師は、中途採用を行わず年に一度採用するだけですから、慢性的に不足気味になっており、病棟によってはなかなか思うように有給消化できずにいます。有給消化をほとんどできずに退職してしまう看護師も少なくありません。

ただし、産前産後休暇、結婚休暇、夏季休暇、病気休暇、子の看護休暇などの休暇制度がしっかりしており、男性職員であっても産前産後休暇を取得しています。育児短時間勤務制度もありますので、活用している看護師も多くいます。

人間関係はいいの?

東京医療センターは、看護師の教育に力を入れているのが特徴であり、プリセプター制度によって新人職員も着実に実力をつけていくことができます。

経験の長い看護師も多く配属されており、緊張感を持って現場業務につかねばならない場面は少なくありませんが、常に連携を図りながら現場業務を行う必要があるために、人間関係は比較的良好であるといわれています。

特に入職したての看護師の場合、周りの状況に溶け込むことができるのか心配になるとは思いますが、入職時期には同期の職員がかなり多く配属されることになり、また同じ年代の職員がたくさんいることから、すぐに打ち解けることのできる職場です。

比較的若い世代が多い現場ではありますが、結婚や出産をしても休暇制度などをうまく利用しながら続けている人も多く、育児室を利用しているママ看護師同士で仲良くなっているケースも見られます。

多くの病院がそうであるように、東京医療センターにおいても人手不足であるのは間違いありませんが、それでもギスギスしたような現場の雰囲気ではなく、安心して働き続けることができるでしょう。

東京医療センターの評判からみた転職するメリット・デメリット

転職するメリット

1、独自の教育制度により看護師としてのスキルを確実にアップさせることができる

東京医療センターは、看護師の教育体制がしっかりと整っており、入職後に行われる院内研修や看護技術や看護知識を高めるための勉強会などが頻繁に開催されており、やる気のある看護師ほどどんどんステップアップしていくことが可能です。

新卒で経験のない看護師や別の病院で経験を積んでいた看護師であっても、プリセプター制度によって先輩看護師が担当となって、一定期間において付ききりで指導を受けることができますので安心です。どの病棟においてもかなり忙しい現場ではありますが、どんな状況においてもどのように業務を進めることが適切であるのか、東京医療センターの方針を学ぶことができます。

また将来的にプリセプターとして活躍することもありますが、自分自身が自信を持って指導することができるように、教育指導者や責任者も付いているために、安心して指導に打ち込むことができるのです。

また東京医療センターには幅広い診療科目があり、急性期だけではなく慢性期の医療についても学ぶことができます。

スキルを高めるためには申し分ない環境のなかで働くことができるでしょう。

2、現場では常に連携を図りながら業務に当たり、人間関係も良好

東京医療センターは、総病床数が780床という超巨大な総合病院で、常に患者様の対応で業務が追われているような状況を見受けることができます。しかしそのような状況だからこそ、看護師同士の連携が重要であることを認識されており、常にコミュニケーションを図りながら業務を行っている印象を感じることができます。

人間関係の悪い病院では、看護師同士の連携が希薄なことが多いですが、人間関係を良くしていくためにはコミュニケーションを密にしていくことが大事です。細かなかかわりがあって初めて、お互いのことを尊重しあえる存在となるのです。

東京医療センターでは教育システムを特徴的なものとしており、常に学べる環境が現場にあるといっても過言ではありません。そのため、経験の少ない看護師は先輩看護師に相談し、先輩看護師は助言を行い、同期や年代が同じ看護師であれば互いに励ましあいながら業務を進めています。

毎年、新卒看護師が多く入職されてきますので、比較的若い世代の看護師であれば、周りには常に同世代の仲間がいる環境なのです。また若い世代ではなく、結婚し出産した看護師もたくさんおり、同じような境遇の看護師のなかで仲良く働くことができるのです。

3、休暇制度が充実している

かなり忙しい病院であるとはいえ国立病院ですから、休暇制度についてはほかの病院と比べても先進的であるといえます。

4週8休の完全週休二日制に加えて、祝日分として年間20日休みが追加されます。さらに夏季休暇、冬期休暇なども追加されます。有給休暇はなかなか思うように取得できないという現実はあるものの、基本的な休みについてはしっかりと取得できますので、プライベートも充実させることが可能です。

また結婚したときには「結婚休暇」が取得できますので、新婚旅行などの心配も必要ありません。出産時にはしっかりと産前産後休暇を取得することが可能です。男性の看護師でも、産前6週間、産後8週間の休暇を取得している実績があります。

院内には託児室が完備されていますので、子供の心配をせずに仕事に打ち込むことができます。出産後には夜勤を外してもらうなどの勤務調整も可能です。子供が病気したときなどに取得できる「子の看護休暇」も準備されています。

転職するデメリット

1、業務量は多く、患者様に寄り添う看護業務ができない

東京医療センターは、780床もの病床を抱えている総合病院で、診療科目も多いことから入院患者の対応は常に必要で、常に時間に追われ忙しい現場であることは間違いありません。病棟ごとにナースステーションがありますが、常に看護師は誰もいない状態となっています。

患者様に寄り添って看護を行うといった看護の理想を高く掲げている人であれば、入職後に理想と現実のギャップに悩んでしまうことも少なくありません。入職自体を後悔してしまう看護師もいるのが現実です。

多くの診療科目があり、看護師に対する教育システムも整っていることから、スキルアップするためにはとてもいい環境であるのは間違いありません。しかしじっくりと一人の人に向き合い、その人に合った看護を行うことは現実問題なかなか難しいと感じてしまいます。

また業務内容としては、看護助手が現場に少ないことから看護師が雑務に追われてしまうということもあります。そのため看護師としての経験内容がほかの病院で働くよりも薄くなってしまうということを懸念されている看護師もたくさんおられます。

2、残業が多く、希望休や有給休暇も取りづらい

病棟によっては残業が多く、常に勤務時間通りに退勤して帰宅することが難しい場合もあります。そのため仕事と家庭との両立に苦しんでいる人もいます。

また看護師のスキルアップのために研修会や勉強会が開催されていますが、それらに参加する場合には時間外になってしまい、必然的に帰宅時間が遅くなってしまいます。

さらに新人看護師の指導役であるプリセプターである場合には、自身の業務に加えて新人教育も必要になることから、どうしても残業が多くなってしまいます。

東京医療センターでの年次休暇は、採用1年目は年15日ですが年間20日間と提示されています。しかし現場の看護師もギリギリのなかで業務を行っていることから、希望通りに有給休暇を取得することができません。退職時において、かなり消化できていない状況の看護師もたくさんおられます。

3、現場に看護助手が少なく現場は慢性的に人材不足ぎみ

東京医療センターでは看護助手の割合が少なく、病棟に数人しかいないということも珍しくはありません。そのためシーツ交換などにおいても看護師が行わねばならず、雑用に時間を取られてしまうということは日常茶飯事です。

特に他の病院を経験してきた人であれば、雑用が増えている分とても業務が忙しく感じられ、体力的にきついと感じる看護師も少なくありません。

また看護師の採用については常時行っているというわけではなく、慢性的に看護師不足に陥っている感は否めません。そのため、一人ひとりが看護師の不足分を補いながら業務を行っているという雰囲気が漂っています。

まとめ

国立病院機構 東京医療センターの評判についてまとめてみました。

特に看護師の教育に力を入れている病院ですので、看護師としてスキルアップしたいという人であれば、満足できる職場であることは間違いありません。人間関係も良好で働きやすい職場であるといえるでしょう。

その反面、かなり忙しい現場の印象があり、残業も多くなっています。なかなか有給休暇を取得することもできませんので、家庭と仕事の両立に悩んでいる人が多いのも確かです。

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